大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(オ)1121 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鍛治利一の上告理由は後に添附のとおりである。

同第一点ないし第四点について。

所論は、要するに原判決が賃借権の抛棄があつたと判断したことをもつて、権利

抛棄に関する法則を誤解した違法があると主張するのである。しかし賃借権抛棄の

意思表示があつたと判断するためには、所論のように必しも賃借権を抛棄するとい

う積極的な行為の存する場合に限られるものではなく、消極的な行為からもこれを

推断することができるのである。原審は証拠の取調によつて確定した各事実を総合

した上特に判示のような事実に基いて上告人に賃借権抛棄の意思表示があつたと解

釈したのであつて、この判断に対し所論のように上告人に有利な個々の事実を挙げ

て法則違反を主張するのは失当である。論旨は理由がない。(所論は大審院判例を

引用しているが判例違反を主張するものとは認められない)

その他の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」

(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法

にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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